顕彰運動紹介

写真 顕彰碑 
 戦前のあの暗い時代に、きらめくように不屈の青春を燃焼させ、人間の解放と社会進歩・反戦を求めて誇り高くたたかい、そして残虐な弾圧の中に倒れていった諏訪の女・伊藤千代子。
 私たちは、伊藤千代子の死を歴史の中にきちんと位置づけるべく、全国からのご支援も得ながら、1997年7月21日、生誕地諏訪に顕彰碑を建立しました。
 2005年には、生誕100年、没76年になり、7月17日には記念事業を、全国の皆さんの参加も得ながら実施されました。

源流を見守りつづけた人々

(伊藤千代子に関する情報受発信)          2005年3月~
          ※千代子こころざしの会 [注]歴史年表につき敬称略
    年月日     顕彰運動の歴史
1929年9月24日
(昭和4年)
伊藤千代子死 《実質獄死》
  〃 10月24日 解放運動犠牲者救援会と日本製糸労働組合が千代子の死を悼み「檄文」の訴えを出す
  〃 10月 全協繊維の活動家になった平林せん、出獄後も意志をついで活躍。1940年、清瀬療養所にて33歳で死去。(千代子のことを各所で語る)
  〃 12月 浅野晃の妹、あや子がガリ版刷り「伊藤千代子追悼録」を作成。この中に平林せん「伊藤千代子姉を偲ぶ」が収録されている
1930年1月
(昭和5年)
片山潜「コミュンテルン誌5号(1月号)」で伊藤千代子らを称讃
  〃 12月15日 原菊江が「女子党員獄中記」(春陽堂)を出版し、千代子からの話、獄中の千代子の最後を記す《発禁》1946年4月20日
死去42歳
1935年11月
(昭和10年)
土屋文明が歌誌「アララギ」に千代子を詠む歌六首を「某日某学園にて」と題して発表 《「千代子と文明」のページ参照》
1947年4月
(昭和22年)
土屋文明が「諏訪少女」と題して再び千代子の回想を詠む
1961年3月
(昭和36年)
近藤芳美箸「土屋文明」(桜楓社)・7「六月風」の時代の中で、伊藤千代子について歌った六首について言及。出生地「上諏訪」も明記している。
1970年3月15日
(昭和45年)
「赤旗」山岸一章の「信濃路」掲載。伊藤千代子発掘の旅の一コマ
1975年1月
(昭和50年)
吉田漱(すすぐ)が諏訪における取材をもとに歌誌「未来」に「伊藤千代子がことぞかなしき」を連載
1976年5月30日
(昭和51年)
塩沢富美子が千代子の回想を「信州白樺」(季刊雑誌)に「信州の旅」(1)諏訪湖 と題して発表
  〃  9月17日 「南信日日新聞」「獄死した友の思いでー伊藤千代子さんを悼む」松木ムメヨの寄稿を掲載
1977年10月
(昭和52年)
校史『長野県二葉高等学校七十年誌』が、土屋文明、伊藤千代子についてもかなり詳しく論述。文明6首も収録している。
  〃  12月 東栄蔵が「信州白樺」に浅野晃取材の上に「伊藤千代子の死」を発表。1978年未来社から出版される。
1979年3月1日
(昭和54年)
青木書店発行『日本社会運動人名辞典』(編集代表塩田庄兵衛)に伊藤千代子の項も収録される
1981年5月31日
(昭和56年)
三多磨いしずえ会により幻の出版『女子党員獄中記』復刻出版される(ただし、この書中の千代子についての記載内容が確認されたのは、1993年6月の三多磨いしずえ会総会が諏訪で行われた際、藤森明と森山良子とのやりとりの中であった)
1986年10月31日
(昭和61年)
塩沢富美子が著書「野呂榮太郎」とともに」の中で千代子回想を記す(この取材の過程で、土屋文明を訪れ、この時に自筆「三首」を書いてもらっている)
1989年
(平成1年)
日本共産党婦人部長広井暢子「女性革命家達の生涯」出版。伊藤千代子、27ページにわたり著す
1992年3月5日
(平成4年)
宮本顕治日本共産党議長が中央委員会総会で、伊藤千代子、田中サガヨ(山口県出身)、飯島喜美(千葉県出身)、高橋満兎(福岡県出身)など戦前女性党員の崇高なたたかいについて発言
  〃  3月 諏訪二葉高等学校・生徒会誌「天つ野」52号特集、「土屋文明と二葉」の中に東栄蔵寄稿「伊藤千代子と土屋文明」所収
  〃  7月~ 「新すわ」紙に藤森明が「伊藤千代子の生涯とその時代」と題し7~8回にわたり連載
  〃  
  11月1日~3日
第32回赤旗まつりの日本共産党館「不屈の青春-戦前の女性党員の群像」で伊藤千代子ら4人が紹介される。のちに「こころざしつつたふれし少女よ」(日本共産党中央委員会出版局)として出版
1994年3月15日
(平成6年)
党史『日本共産党の70年』および党史年表に伊藤千代子らの活動が記載される
1995年11月3日
(平成7年)
学習の友社から藤森明著『こころざし今に生きて-伊藤千代子の生涯とその時代』出版
1996年2月24日
(平成8年)
『千代子こころざしいまに生きて』(藤森明著)出版記念「伊藤千代子を語る会」が諏訪市駅前市民会館で行われ、顕彰碑建立が呼びかけられた
1997年7月21日
(平成9年)
伊藤千代子顕彰碑除幕式及び記念式典
  〃  9月24日 墓参
  〃  11月1日 顕彰碑建立記念誌「今 新しき光の中へ」(第1号)発刊
  〃
  11月1日~3日
赤旗まつりに「伊藤千代子テント」開設。ビラ配布、本・記念誌・拓本販売
1998年9月24日
(平成10年)
蔦城誉子『イエローローズ-伊藤千代子の青春』発刊
1999年5月15日
(平成11年)
諏訪二葉高校同窓会総会で「伊藤千代子の青春」記念講演
講師:蔦城誉子
  〃  7月24日 伊藤千代子没後70年記念事業(諏訪文化センター)
墓前・碑前祭後、記念講演:東栄蔵「伊藤千代子の生と死-近代文学研究の視座から」(なお東栄蔵氏から日本共産党史資料室に「伊藤千代子追悼録(1929年12月作成)の現物が贈呈された)
・記念誌「今 新しき光の中へ」(第2号)発刊
・今後の恒常組織「千代子こころざしの会」結成
  〃  9月24日 没後70年墓参と語る会
2000年9月17日
(平成12年)
墓参と語る会語る会 ※日本共産党中央委員会本部建設に募金
  〃  10月 土屋文明記念文学館一行来諏
2001年9月17日
(平成13年)
墓参と語る会語る会
2002年4月10日
(平成14年)
「しんぶん赤旗」秋元波留夫インタビュー記事「治安維持法と拘禁精神病-伊藤千代子に光り当て」
  〃  6月16日 千代子たたえる土屋文明の短歌が歌曲に。中村洋子歌う。高平つぐゆき作曲-東京八重洲ホール
  〃  7月24日 「しんぶん赤旗」小口廣登寄稿「現代に生きる伊藤千代子-進む顕彰と研究(上)、生涯と事跡の発掘(下)
  〃  8月14日 スイス・ジュネーブ国連ツアージャパンデーで中村洋子「伊藤千代子を歌う3つの歌曲」世界に発信
  〃  9月 東栄蔵著『信州異端の近代女性たち』(信濃毎日新聞社)
「第一章こころざしつつたふれし少女-伊藤千代子」
  〃  9月22日 「2002伊藤千代子トーク&コンサート」(諏訪市文化センター)
秋元先生講演「治安維持法と伊藤千代子」・中村洋子コンサート(ピアノ:金沢亜希子)・「記念誌」(第3号)発行
2003年8月 9日
(平成15年)
中村洋子さん、国連ヨーロッパ本部「人権小委員会」の要請でジュネーブへ。
ジャパンデーで『伊藤千代子』を02年度につづき再度歌う。三澤実事務局長も参加
  〃  9月23日 墓前碑前祭と語る会 話した人 藤田廣登・松原勝・畠山忠弘・中村洋子の各氏
(伊藤千代子生誕100年記念事業の計画化)を決める
2004年9月23日
(平成16年)
東京「伊藤千代子没後75年記念のつどい」(平和と労働センター・全労会館)300名余の盛況記念講演=秋元波留夫さん。
土屋文明長女=小市草子さん、こころざしの会=伊藤善知さん、参加、挨拶
  〃  9月24日 「没後75年伊藤千代子墓参と語る会」(現地-湖南公民館)
木島日出夫「伊藤千代子の時代と現代の課題」の講演と来年の生誕100年没76年に向けて事業計画の骨格報告、意見交換
2005年4月1日
(平成17年)
千代子最後の手紙公開・見る会 苫小牧図書館 三沢事務局長参加
  〃  4月16日 伊藤千代子トーク&コンサートイン土屋文明記念文学館(100年記念事業プレイベント)諏訪からも参加
  〃  4月 伊藤千代子こころざしの会、ホームページを開設
(伊藤千代子の生涯と顕彰活動を発信)
  〃  7月3日 「千代子最後の手紙公開記念のつどい」苫小牧 諏訪からも参加
  〃  7月17日 伊藤千代子生誕100年記念事業 ⇒◇墓前碑前祭 ◇記念講演会=澤地久枝さん ◇パネル展 ◇ 伊藤千代子最後の手紙公開(諏訪市図書館)◇全国交流会(於ぬのはん)◇記念誌4号発行(『今、新しき光の中へ・伊藤千代子生誕100年 記念号』)
  〃  7月21日 藤田廣登著『時代の証言者―伊藤千代子』出版
  〃  9月24日 没76年墓参と語る会 講演会 活動報告 ニュース発行など活動方向について
 講師の木島日出夫さんから「定期的講演会の開催」を提起される。
2006年2月1日
(平成18年)
記念誌5号発行(『今、新しき光の中へ・100年事業記録集』)
 〃  9月18日 伊藤千代子墓参と語る会(講演=石城謙吉北大名誉教授)
2007年9月24日
(平成19年)
顕彰碑建立10年記念墓参・碑前祭と語る会
講演 毛利栄子さん(日本共産党県議)演題 「伊藤千代子を、そして今を語る」
2008年8月1日
(平成20年)
諏訪二葉高校、『写真でかたる二葉百年のあゆみ』を出版。
伊藤千代子が大きく紹介される。
 〃  9月 8日 松本善明「燦然と輝く革命の花 伊藤千代子」(日刊「赤旗」)
 〃  9月21日 伊藤千代子墓参と語る会(講演=藤田廣登さん 歌=福田蓉子さん)
 〃  9月23日 「伊藤千代子の会」主催の「伊藤千代子のつどい」
 (講演=松本善明さん)東京全労連会館
2009年9月23日
(平成21年)
「伊藤千代子没80年記念のつどい」(記念講演=窪島誠一郎さん 歌=中村洋子さん) 墓前・碑前祭のあと片倉館で講演・パネル展 華乃井ホテルで夕方より全国交流会(「伊藤千代子の会」と共催)
 〃  9月18日 伊藤千代子墓参・碑前祭と語る会〔講演〕=石城鎌吉さん(北大名誉教授) 演題=「北海道の地から伊藤千代子を・・」
2010年9月23日
 (平成22年)
墓参・碑前祭のあと、語る会(諏訪市文化センター) 1、中村洋子さんを偲んで 2、こころざしの会10年と、これから 歌=福田蓉子さん。
2011年9月24日
 (平成23年)
墓参・碑前祭と交流ポスト除幕式、総会のあと、語る会〔講演〕=栗田勝さん(こころざしの会副会長)演題=「伊藤千代子顕彰碑建立をめぐって」
2012年7月16日
(平成24年)
墓参・碑前祭・総会のあと、〔講演〕=平島佐一さん演題=「二葉高校(諏訪高女) 100年と伊藤千代子」
2013年9月23日
 (平成25年)
墓参・碑前祭のあと、語り合い
 (来年の、こころざしの会15周年をどう迎えるか、など)
2014年9月23日
 (平成26年)
現地で墓参・碑前祭のあと、「こころのひろば」で記念講演と「語り合う会」
・講師 伊藤 力司さん(ジャーナリスト)
・演題 「戦争する国づくり許さず、憲法を生かす」
*〈こころざしつつ〉など歌のコーナー、原爆パネル展、書籍販売あり。
2015年9月23日
 (平成27年)
現地で墓参・碑前祭のあと、「こころのひろば」で「語るつどい」
・中心テーマ 「顕彰運動をどう継承・発展させるか」
*東京千代子の会と北海道苫小牧からのメッセージ紹介。
2016年10月1日
(平成28年)
・現地で墓参・碑前祭のあと、「こころのひろば」で「顕彰碑建立20年記念のつどい」・講師 本庄 豊さん(日本社会運動史研究)
・演題 「伊藤千代子を次の世代に」 ~山本宣治研究から見えてきたもの~
・講演のあと別室で交流会 遠方からの参加者、宿で講師を囲み交流会
*書籍販売 パネル展 
2017年9月24日
(平成29年)
・墓参・碑前祭は中止。各自で墓参お願いしました。「湖南公民館」で「講演会」
・講師 宮田 汎 さん(治安維持法国賠同盟中央本部副会長)
・演題 「日本国憲法を築いた治安維持法犠牲者」
      ~~伊藤千代子ら長野県と北海道をつなぐゆかりの人々~
臨時国会冒頭解散という流れに対処するため、当日上諏訪駅前で日本共産党の緊急演説会が行われることになり、当初の計画を変更して講演会のみの開催となりました。
2018年9月24日
(平成30年)
・墓参・碑前祭
・「湖南公民館」で「語る会」日本原水爆被害者団体協議会事務局次長の藤森俊希さんを講師にお願いしましたが、急なご事情により参加頂けなくなりました。
 このためヒバクシャ国際署名長野県連絡会の制作したDVD「藤森俊希ビデオメッセージ 核なき世界―子供たちの明るい未来に向けて―」を上映し意見交換しました。
2019年9月23日
(令和 1年)
・墓参・碑前祭
・「湖南公民館」で「語る会」
 昨年お願いした日本原水爆被害者団体協議会事務局次長の藤森俊希さんに講師をお願いしました。新しい体制での行事となり、総会の報告なども行われました。

※伊藤千代子こころざしの会では毎年9月24日(命日)に「墓前・碑前祭と語る会」を顕彰碑建立以来行ってきています。

命あるものはみんなあらん限りに生きようとしているのですね・・・千代子最後の手紙より